瑠璃色つらつら日記

日常のいろんな気付きやシアワセを書いています。映画、音楽、舞台、アニメなど、好きなもの多すぎて困っちゃう。

体調不良の頃に書いていた「好きなものノート」について

昔、体のバランスをガタガタに壊して、数年間休職していた頃、書いていたノートがある。

ただ自分の好きなものを列記しただけのノートだった。

 

 

例えば、好きな映画、好きな本、好きな場所、好きな有名人など、一行にひとつずつ書いていくのである。

気付いたときに、気付いただけを書き足していく。

好きな物事はいつでも忘れず覚えておきたいな、という軽い気持ちから思いついた行為だった。

 

 

ある程度増えていくと、それを読み返すようになった。

ただ単語の羅列を目で追っていくだけなのだが、これが妙に心地良かったのである。

 

 

そりゃそうだ・・・

自分が好きなものばかり書いてあるのだから。

読むごとに、それを初めて知った時の嬉しい感覚が瞬時によみがえってくる。

我ながら素敵なアイディアを思いついたなと思った。

このノートは、自分で自分の気持ちを上げることができるツールだと気付いた。

 

 

そのうち、もっとコアな物事、例えば「○月○日の○時にどこどこから見た空の色」とか「TVの〇〇番組で見た、芸人さん達の会話」「BOSSのCMのトミー・リー・ジョーンズ」といった、ピンポイントの細かい出来事も書くようになった。

後から読んで、その時の美しい情景やキュンとしたツボを、そのまま思い出せるような言葉で。

 

 

何年くらい書き続けただろうか。

ノートが何冊かたまった頃、日記帳に転向してから、いったん書くのをやめた。

 

 

後からよくよく思い出すと、あのノートのアイディアは私の中から出てきたオリジナルではないことに気づいた。

きっかけを与えてくれた、アニメ作品があったのである。

世界名作劇場の「愛少女ポリアンナ物語」というアニメの中に出てきた「喜びの本」というのがそうだ。

 

 

作中に出てくる車椅子の少年ジェミーは、嬉しいことがあると、それをノートに書きとめる習慣があった。

彼はそれを「喜びの本」と呼んでいた。

 

 

いわば良いことばかりを書いた日記のようなものなのだろう。

自分の記憶が確かならば、彼が出てきたのはほんの1話か2話程度だった気がする(主人公はポリアンナなので)

それでもなぜか、そのエピソードは子供ながらに忘れられず、心に引っ掛かっていたのだ。

 

 

その後、大人になった自分が体を壊し、似たようなノートを書き始めたことで、あの病弱なジェミー少年の心が、いかにそのノートに助けられていたか知ることとなった。

 

 

最近よく成功哲学などで「感謝リスト」や「成功体験リスト」を書くといいと言われる。

しかし、これらは本当に気落ちするとなかなか書けない。

そういう時は、自分を労る気力すら無くなってしまう。

その点この「好きなものノート」は、ただ自分が書いた単語を目で追うだけでいいので、「気持ちを上げなきゃ」という気負いは必要ない。

何となく目で追ううちに、勝手に心が落ち着いてくるので、気軽な遊び感覚で続けやすかった。

(自分は本当に「勉強」とか「学習」とかいう概念が苦手なんです・・・なんか「固さ」を感じちゃう。あ、あと「仕事」もね。してるけど(笑))

 

 

あの頃に比べると、だいぶ自分の本音の感情に気付けるようになったので、コントロールも上手くなったが、さらにニュートラルを保つために、もう一度あの「好きなものノート」を書き始めようかと思っている。

 

 

それにしても「好き」という感情はすごいパワーだ。

「好き」を見つけた時に一緒に感じた感覚まで思い出す。

暖かかったか、寒かったか、風が吹いていたか、匂いはあったか、どんな音が聞こえていたか、人の声はしていたか、手に何を持っていたか、どんな風景を見ていたか・・・

たくさんの「好き」をアウトプットすることで、そんな感覚も一緒に記憶できる。

そういうものが、自分の心を整理し立て直してくれる。

ということは、人からエネルギーを盗まなくても、人間は自分の中にすでに持っているもので自己治癒ができるのだと思う。

(万能とはいかないまでも)

外の物理的世界に意見を求めるのも必要だけれど、自分の中から湧き出てきた素直な感覚を大事にすることも忘れずにいたい。

 

 

 

1年ほど前、はてなで「人生最大の危機」というお題があった時、体の不調と向き合った経験を綴った記事があったので、参考に載せておきます。

ちょうどノートを書いていた頃の経験談です。

興味のある方は是非のぞいてみてくださいませ。

(最後の方で「サラリーマンを辞めた」と書いてますが、現在は就職してます。)

edinn.hateblo.jp

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。