夜の京都 大原「宝泉院」の額縁庭園へ
前回のカフェに続き、京都の旅について書いていこうと思う。
(文字サイズの希望があったので今回から大きめに戻しました)
夜の京都大原を訪れたのは初めてである。
京都の夜は暗いと聞いてはいたが・・・・想像の斜め上をいくレベルだった。
こ、こんな感じ・・・
こわい、やばい、おどろおどろしい・・・
あまりに半端ない暗さなので、怖いを通り越してちょっと笑えてきた。
まるで異世界への道、黄泉の国への道である。
もう一発いってみよか。
しかしこの先に待っているのは、素晴らしい夜の額縁庭園。
私たちの目的はそこである。(今回は前職の同僚の人と一緒でした)
怖がることは何もない。
むしろ客人のために、こ、こんな素敵な灯りを点々と置いてくれているのだ。
目的地の宝泉院に到着した。
前回、昼の拝観で訪れてから1年以上たっている。
近ければ週一で通いたいほど、自分にとって特別な場所である。
(すぐそばの三千院の額縁庭園も素敵ですが、私はこちらの方がお気に入り)
ここは毎年、春と秋のみ夜間拝観も行っている。
紅葉の時期でもあるし、大勢の観光客がいるかと思ったのだが、平日のためか意外にも人はまばら。
なので大好きな風景をほぼ独占して味わうことができた。
ゆうに1時間以上、ここに座っていたと思う。
床の間から眺めるこの庭園、
縁側の柱に切り取られた生の風景、
「額縁庭園」とは上手く表現したものだ。
これを造った人、考えた人に感謝。
この庭園の名前は「盤桓園(ばんかんえん)」というのだが、「立ち去りがたい園」という意味だそう。
本当に、日がな一日座り眺めていても飽きない空間である。
ひねもすのたりのたりかな、という言葉がよく似合うと思う。
左に置かれた竹筒の中にはロウソクの灯りが。
手前右端にボーっと映っているのが水琴窟。
ここに耳を当てるとコロンコロンと心地いい水音が聞こえる。
また、縁側の天井の一角には「血天井」がある。(写真は控えました)
関ケ原の合戦前、徳川の忠臣である鳥居元忠以下数百名が、豊臣の大軍と戦い伏見城中で自刃した際の床板を、供養のため天井にはめ込んだものである。
ここは声明(しょうみょう)がずっと流れているお部屋。
声明とは僧侶によって詠まれる仏教の儀式音楽のこと。
日本のあらゆる歌曲の原点になっており、平家琵琶や民謡などに多大な影響を与えたものだそう。
大原はこの声明の聖地と言われているらしい。
三千院に比べるとこじんまりとしているが、素朴で素敵なお寺である。
(住んじゃいたいくらい(笑))
また来ます大原、夜のお顔も素敵でした。
しばしお別れ。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
(大原のバス停から寺院までの夜道は非常に暗いので、女性ひとりは避けた方がいいと思います。お化けより、痴漢などにも気を付けましょう(笑))
<大原 宝泉院 秋の夜灯り>
期間:11/2~12/1
時間:17:50~21:00(受付は20:40まで)
料金:一般800円、中高生700円
075-744-2409
京都バス「大原」バス停より徒歩10分ほど
(昼の拝観も通常通りあります→9:00~17:00(受付は16:30まで)昼の拝観にはお抹茶とお菓子が付きます)